書評誌「Guardian of Education」とトリマー夫人
英国19世紀児童文学・教育評論「ガーディアン・オブ・エデュケイション」およびトリマー夫人評伝」全7巻(英文)が復刊されている。トリマー夫人(1741-1810)は「こまどり物語」で知られた児童文学者。フランス革命を危険思想とみなし、子どもの教育のために動物の擬人化を用いて教訓的な創作物語を書いた。また児童書の書評誌「ガーディアン・オブ・エデュケイション」(1802-1806)を執筆・刊行する。たとえば、「シンデレラ」は嫉妬心、家族への嫌悪感、虚栄心などを子どもの心にうえつけるものであり、「ロビンソン・クルーソー」は放浪生活や冒険心をたきつけるものであり、「マザー・グース」にでてくる奇想天外なアイデアは子どもたちの心を乱すものとしている。熱心なクリスチャンであるトリマー夫人は、想像力が野放図に広がることに強い懸念を持っていたと考えられる。
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