「本佐録」は本多正信の作か?
経済学者・滝本誠一(1857-1932)は昭和7年のこの日死去。滝本といえば「日本経済叢書」36巻の編纂で著名。江戸時代の農書などを収集し活字本としたもので研究者にはたいへん便利。著作権保護期間が過ぎているので今までは「近代デジタルライブラリー」のウェブで閲覧が可能である。膨大な叢書の第1巻目は本多正信の「本佐録」である。通俗的な内容であるが、「百姓は財の余らぬように不正なきように治める事道なり」の文章でしられる。また本書の天道説はキリスト教の影響があるといわれる。本多正信といえば大河ドラマ「江~姫たちの戦国」で草刈正雄が演じた人物。本当に「本佐録」を本多正信が著わしたかは異論もある。「本佐録」中の引用文に「五輪書」(1650年)からのものが含まれており、1616年に世を去った本多正信の作とするのはつじつまが合わない。
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