中国俳句「漢俳」
中国語による俳句を「漢俳」という。俳句の5・7・5音の形式をかりて、17の漢字で詠む。たとえば芭蕉の「古池や蛙飛び込む水の音」を漢俳にすると次のようなものが考えられる。
閑反古池旁
青蛙跳入水中央
撲通一馨響
漢俳は1980年5月、日本俳人協会代表団の歓迎会の席上、中日友好協会副会長の趙撲初が作った漢俳が最初といわれる。形式的には、日本の俳句の17音形式を参考にし、適宜に平仄を配した3行17字の短詩となっている。中国の絶句や小令、民謡にちかいものであり、短く、凝縮されていて、文語体もあれば口語体もあり、もちろん吟唱できる。なお、中国語は一字一音一意であるため、中国俳句にふくまれる内容や意味は、いきおい、日本の俳句よりも多くなる。2005年3月に漢俳学会が発足し、2年後には日本漢俳学会が発足した。
(参考:趙莘「漢俳 俳句形式の中国詩」 人民中国 1982.1)
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