近代名前の成立と消滅
近代名前はだいたい明治・大正期にほぼできあがった。たとえば男子には「男」「郎(朗)」「雄」「夫」がつく傾向が増えてきた。
柳田国男 (明治7年生れ)
有島武郎 (明治11年生れ)
仁科芳雄 (明治23年生れ)
加藤道夫 (大正7年生れ)
明治・大正生れの男子の名を調査するため、サイト「海軍人事名簿」を参考にする。太平洋戦争の指揮官であれば、だいたい明治10年から大正5年までに生れた男子である。
吉田善吾大将 (明治18年生れ)
野村留吉少将 (明治29年生れ)
折田善次少佐 (明治43年生れ)
杉山忠嘉少佐 (明治45年生れ)
次に現代の男子名を調査するためプロ野球名鑑を参考にし、無作為にひきだす。
大輔 大樹 直樹 正樹 雅樹 春樹 直人 真人 拓也 智之 佑太 俊介 健太 康平 浩二 憲司 克彦 翔太 勇紀 隆太 翼 祐輔 裕也 祐樹
名を見るだけで明治~大正に生れた人か、昭和に生れた人か、およそ区別できる気がする(もちろん一郎、太郎では無理だが)
つまり明治・大正の名はやや古くさく感じられるからである。現在の名からはフレッシュな感じをうける。だがこのようなフレッシュな感じというのがいつまで続けることができるのかわからない。センスの話である。たとえば男子の名で使われなくなった漢字として「吉」「助」「忠」「善」などがある。女子でも「貞」「富」などである。貞子、富江などホラー映画の影響があるのかもしれない。「善」や「忠」など本来は立派な漢字であるのに嫌われる理由は、忠義、忠臣、善行、善人が修身道徳のような堅苦しい感じがするからであろうか。日本にはこのように顕著な名前の変遷があるが、欧米にそのような傾向がみられないのはなぜだろうか。
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