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2012年8月20日 (月)

烙印の女たち 花井お梅

Photo   流行歌「♪浮いた浮いたと浜町河岸に 浮かれ柳のはずかしや」と新橋喜代三の「明治一代女の唄」(詩・藤田まさと)に歌われたのは花井お梅(1863-1916)である。下総の佐倉藩の下級士族、花井専之助の娘として生れたが、9歳のとき東京日本橋の岡田常三郎に養女となった。15歳のとき柳橋の芸妓小秀となり、18歳で新橋へ移って秀吉を名乗った。20歳のとき、岡田家と縁を切って、本姓の花井に復した。お梅は、その後、待合酔月楼の女将となる。箱屋の峰吉(八杉峰三郎)がうるさくお梅につきまとう。明治20年6月、梅雨の降りしきる夜、浜町河岸で言い争ううち、お梅を脅そうとした峰吉は、あべこべにお梅のために刺殺された。お梅は裁判にかけられ、無期懲役の宣告を受けたが、明治36年に特赦で獄を出たあと、小間物屋や汁粉屋をひらいてみたが、いずれもうまくいかず、最後には旅役者の一座に加わって、みずから「峰吉殺し」を演じてみせるまでに落魄した。大正5年冬、肺炎のため蔵前片町にあった精研堂病院で亡くなった。54歳の悲しい人生だった。

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