増川仙右衛門はお蝶の弟ではない
梅蔭寺の清水次郎長の墓と並んでいる子分の墓は、大政、小政、仙右衛門の3人。伊豆石で建てられているがもともとは四角だったはずの墓石は、ぼろぼろに削られ丸くなっている。欠いた墓石を持っていると勝負事につくというので賭博師が削っていくのである。なかでも増川仙右衛門(1836-1892)のが一番人気がある。増川とはかつて富士郡須津村の内、現在の富士市の地名である。仙右衛門の父が縄張争いで伊豆の金平竹之助に殺され、父の仇討ちを次郎長に加勢してもらったことから子分となった。向田邦子脚本「清水次郎長」では仙右衛門はお蝶の弟となっている。これ以前の次郎長映画でもお蝶の弟となっていることがしばしばある。増川仙右衛門の父は宮下佐次郎といい、お蝶は江尻大熊の妹なので「仙右衛門・お蝶の弟」説は創作であろう。
« ドドメ色とはどんな色? | トップページ | ハンサムを探せ! »
「日本史」カテゴリの記事
- 河越城の戦い(1546年)(2024.04.20)
- かえり船(2024.03.23)
- 鍋島騒動(2024.03.20)
- 勘解由使(2024.01.14)
- 藤原兼家(2024.01.12)
コメント