人生は死への前奏曲
フランツ・リストはラマルチーヌの「詩的瞑想録」に基づき「プレリュード(前奏曲)」を作曲したといわれる。
われわれの一生は、死によってその厳粛な第一音がかなでられる未知の歌への前奏曲でなくてなんだろう。愛は、すべての心の輝くあけぼのだ。しかし、その喜びと仕合せの上に、荒々しい風が吹きすさんで希望を打ちこわす。人々はこのように傷つけられた心を、田園生活の平和の中でいやそうとし、嵐の思い出を忘れようとする。だが、そんな中に危急をつげるラッパが聞えると、その理由がどのようなものであっても、敢然と立って戦いにおもむき、自信をとりもどすのだ。
詩人リルケの名言に、「果実に芯があるように、人はだけでも自分の死を自分の中に持っている」とある。
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