コローとシャルトル大聖堂
シャルトル大聖堂 コロー 1830年 ルーヴル美術館蔵
フランス北西部、シャルトルの大聖堂は、13世紀初頭に完成したフランスを代表するゴシック建築である。 このシャルトル大聖堂の美しさに魅せられた画家は数多くいるがコローもその一人である。ジャン・バティスト・カミーユ・コロー(1798-1875)は1825年から28年、1834年、1843年と計3度イタリアへ旅行し、6年間のイタリア滞在の間に明るい光と色彩にも強い影響を受けた。1828年、第1回のイタリア旅行から帰国したコローはその感銘をフランスの田園風景の描写に生かそうとした。1830年7月の革命の勃発とともに、シャルトルへ逃れたコローは、大聖堂の圧倒する美に打たれてこの作品を描いた。前景の人物は、1830年に制作されたときには描かれていなかったが、それから40余年たった1872年に描き加えられたものである。またシャルトルの大聖堂は1834年に火災にあい、屋根の部分などが修復されたが、その意味からも、被災前の大聖堂の姿を知る上で、資料的に貴重な作品である。( Chartres Cathedral )
« 北条時宗とモンゴル襲来 | トップページ | ローマの公衆便所 »
「文化・芸術」カテゴリの記事
- 画家土佐光則没す(1638年)(2023.01.16)
- 現代彫刻(2020.08.04)
- カナの婚礼(2019.11.24)
- ラ・ボエーム(2018.10.15)
- 上方の浮世絵(2018.09.01)
コメント