無料ブログはココログ

« 象と盛り場 | トップページ | ジョージ・サンダース »

2012年5月23日 (水)

阿部みどり女の俳句

Image02    阿部みどり女(1886-1980)。北海道長官・永山武四郎(1837-1904)の娘。札幌市に生まれる。結核で療養中に俳句をはじめ高浜虚子に師事する。昭和53年「月下美人」で蛇笏賞。

重陽の夕焼けに逢ふ幾たりか

六軒の檀家持つ寺柿を干す

山清水落葉の上を流れけり

雑用の中に梅酒を作りけり

北上の空に必死の冬の蝶

大空に一枚白く凍てにけり

春水を押しくぼまして風が吹く

紫苑ゆらす風青空になかりけり

うららかや空より青き流れあり

蕃山へ登る口あり冬の寺

   蕃山は仙台市にある標高356mの1時間くらいで登頂できる山である。阿部は長く仙台で暮らした。女性が詠む俳句を「台所俳句」と名づけたのは虚子だが、虚子は女流俳人を多く育てた。

« 象と盛り場 | トップページ | ジョージ・サンダース »

日本文学」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« 象と盛り場 | トップページ | ジョージ・サンダース »

最近のトラックバック

2025年5月
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31