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2012年5月17日 (木)

豚一(とんいち)様

4bd6607011d3b954646f20d38e696570   激動の幕末期から維新まで、水戸精神で生きた最後の徳川将軍慶喜の性格は複雑怪奇である。子供の頃から利発、頑固であったが、最後までやりぬく粘りには欠けていたという。慶喜を「百才あって一胆なし」と評するのは、鳥羽伏見の戦いで、碌に戦わず逃げたことによるものだが、聡明さの反面ひ弱さも感じられる。「強情公」のほか「豚一(とんいち)様」という奇妙なあだ名がある。豚肉、とくに薩摩の黒豚を好み、江戸城で豚を飼い食べた。当時、一般に獣の肉を食する習慣は少なかったが、徳川斉昭の水戸家では豚肉だけでなく、牛肉、牛乳、そしてバターも作っていた。新撰組も西本願寺駐屯時に神戸から仔豚を持ち込んで養豚し食べていたというから、肉食の流行は幕末すでに始まっていたのである。

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