リマ症候群
1996年のペルーの日本大使公邸人質事件で明らかになった現象で、犯人側が人質に感化されて人質に対する攻撃的態度が緩和されることを意味し、リマ効果ともいう。段階的に解放された人質の診断にあたったペルーの精神科医マリアノ・ケロール博士は、犯人側に人質を傷つけたくない気持ちが芽生えていることに早くから気づいていたが、ペルー軍の特殊部隊が突入した際に、ゲリラの若いメンバーの1人が、一時は人質に対して銃口を向けて引き金に指をかけながらも、思い悩んだ表情を見せた後でそのまま去って行った事実からその存在が確認された。人質事件などで人質が犯人に対して親近感を抱き始める現象はストックホルム症候群として知られているが、これはその逆のケースにあたる。犯人側と人質に対するいたわりや思いやりの気持ちが生じたためと考えられるが、主犯にもそうした気持ちが生じていたかどうかは明らかではない。(Lima Syndrome,Mariano Cayrol)
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