政治家の四字熟語「正心誠意と敬天愛人」
四字熟語はある年齢の地位のある人が用いると、深みのある言葉に聞こえるから不思議である。とくに政治家は四字熟語が好きである。戦前、文部大臣だった鳩山一郎が帝人事件の収賄疑惑を受け、「明鏡止水」といって辞任した。戦後、吉田茂は南原繁東大総長を「曲学阿世」と非難したのも有名である。このような政治家と四字熟語の関係を松下政経塾で勉強したのか野田佳彦も四字熟語が好きである。所信表明演説で「政治に求められるのはいつの世も正心誠意の四文字である」と述べた。記者に「誠心誠意ではないのか」と言われたとき、「自らの心を正し、政治家としての良心に忠実に」と説明した。野田は勝海舟の「氷川清話」に拠ったらしいが、本来、中国古典「大学」が「正心誠意」である。野田は本日の記者会見でも四字熟語を連発した。「お会いする以上は乾坤一擲。一期一会のつもりで、誠心誠意、腹を割って話し会う」と述べている。野田と小沢の会談。小沢は「大きな税負担をさせる前にやることがある」と増税に反対の姿勢に変わりがないことを伝えた。小沢一郎は西郷隆盛の「敬天愛人」を座右の銘としている。
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