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2012年5月22日 (火)

ダーリンは死刑囚

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    獄中の死刑囚と結婚するという女性を描いたドラマ・映画は過去数本ある。小池栄子の「接吻」(2008)、尾野真千子の「真幸くあらば」(2010)。古くは浅丘ルリ子の「愛と死のかたみ」(1962)。この映画は山口久代の実話が下になっているようで当時ブームとなり、主題歌もヒットした。島倉千代子、和田弘とマヒナスターズ&山中みゆき、及川三千代らの競作。及川はこの歌で紅白歌合戦に初出場した。純愛ブームがおこり、同年に市原悦子でドラマ化、1977年には島かおりでリメイクしている。獄中の凶悪犯と結婚というレアな話に関心を寄せるのは、おそらくその女性の心理が知りたいからであろう。なぜ文通だけで交際もしていない、社会的に非難を浴びることが予測され、親からも勘当されるであろう、いばらの道を選ぶのか。ある人は売名行為といい、財産ねらい、死刑制度廃止の活動とか、さまざまな憶測をめぐらす。しかしそのいずれにも当てはまらないケースが多い。社会的に問題となった行動を起こした人を守りたいという心理がはたらくらしい。世の中、すべての人が悪くいい、極刑にせよといい、弁護士すら見放されている受刑者に対し、自分ひとりがその人を守ってあげたいという気持ちがつよく働き、結婚という形を選択するのである。そのような女性はたぶん生い立ちにも疎外されたり、社会に冷たくされたりする実体験があるので、キリスト教などの愛の宗教の支えにより、そのような心境になることがありえるものと解している。

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