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2012年4月13日 (金)

ミア・ファロー論

    映画雑誌SCREENの附録に「スター&監督大名鑑2012」がある。総勢820人が収録されているが、続々新スターが現れるので、日本での外国スターとしての地位を考えるうえに一つの目安になる。1960年代、米映画界はニューシネマという流行から新星が登場した。女優ではフェー・ダナウェー、キャサリン・ロス、キャンディス・バーゲンなど。ニュー・シネマ女優ではないが、オリビア・ハシーが日本では人気が高かった。SCREENの名鑑からキャサリン・ロス、キャディス・バーゲン、オリビア・ハシーは消えている。当時の同時代女優だったミア・ファローはいまも名鑑には収録してある。「ローズマリーの赤ちゃん」「「ジョンとメリー」「フォロー・ミー」「華麗なるギャッビー」「ナイル殺人事件」「カイロの紫のバラ」「ハンナとその姉妹」「アリス」「アーサーとミニモイの不思議な国」と50年間に40本と多作ではないが、ずっと映画界の中心に存在している。アカデミー賞のノミネートはあるが主演女優賞がないのが不思議である。ニューシネマという言葉が元来あいまいなものだが、ミア・ファローの出自はハリウッドそのものである。父は監督、母は女優、最初の結婚相手はフランク・シナトラ。「ローズマリーの赤ちゃん」はオカルトの走りとなった。映画の翌年、監督の妻シャロン・テートが惨殺されたことが暗い影をおとした。ウッディ・アレンとの裁判問題やユネスコ親善大使の活動など日本ではあまり大きな話題にはならない。ダルフール難民保護でハンガーストライキをしたことも日本では話題にならなかった。最近は長女に先立たれ、兄パトリックが謎の拳銃自殺と不幸が続いている。だが不思議なことにミアの出演した作品はどれも古びることがないのはなぜだろう。痩せた風変わりな女優が映画史に残る大女優だった。

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