輝く巨人の星となれ
昭和32年、長嶋茂雄の巨人軍入団が決まった日、その話題を憎らしそうに聞いている少年がいた。少年の名は、星飛雄馬。飛雄馬は父・一徹からしごかれる日々に、野球を憎んでさえいた。そこは長嶋選手入団発表パーティ会場である。
「ではここで偉大なる先輩である千葉さんから栄光の背番号3が励ましを込めて長嶋くんに譲られます」
「長嶋くんを迎え史上最大の三塁手も巨人軍から生まれるだろう」
その時、飛雄馬は長嶋に魔送球を投げつけた。それを見た川上監督は、かつて星一徹が投げていた魔送球を投げる少年に驚き、逃げる少年を追いかける。
飛雄馬が家に帰ると、一徹は酔っ払って暴れている。理由は飛雄馬が禁じている魔送球を投げたからだけではない。長嶋が恐れもしないでみごと見破ったからでもあった。この様子をみていた川上は、明日の巨人軍のために一徹が史上最大の投手を育てていることを知る。
一徹は夜空を指しながら飛雄馬に言う。「飛雄馬よ、見るがいい。あの星座がプロ野球最高の名門巨人軍だ。おれもかってはあの輝かしい星座の一員だった。だがそれが今ではもう手の届かない彼方に遠ざかってしまった。飛雄馬!お前はなにがなんでもあの星座まで駈け登るのだ。巨人軍という星座のど真ん中でひときわでっかい明星となって光れ!輝け!」「野球は憎いけどこと野球となると、しゃんとするとうちゃんはやっぱり好きだぜ」そして厳しい秘密の訓練が続けられた。(巨人の星1)
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星飛雄馬の巨人の星・・人気ありました根性もの漫画。テレビ漫画、ドラマ化でさらに人気に火がつき・・といったものでした。
投稿: 根保孝栄・石塚邦男 | 2013年2月20日 (水) 20時30分