ヘソのゴマを抜く
「顔を洗って出直せ」という慣用句がある。夢のようなことを言うのはまだ寝ぼけているのかという意味で、顔をスッキリさせてからものを言えということだろう。しかし相手を罵倒する言葉なので実際にはあまり使うことはない。体にまつわる慣用句は多く「鼻毛を読まれる」とか「鼻毛を抜かれる」という言葉もある。「いいように扱われる」という意味か。だんだん下品になるが、「ヘソのゴマを抜かれる」とか「ヘソのゴマを抜く」という言葉があるのだろうか。日活映画「夜をひらく、女の市場」(1969)の中でヤクザが使っていた。小林旭のホステス引き抜き屋を懲らしめるために何か弱点はないかと相談する。奴も人間だから弱点はあるはずだ。「ヘソのゴマを抜け」という。妻の山本陽子が車で轢き殺される。いろいろ調べてみたが「ヘソのゴマを抜く」という慣用句が日本語として認知されているとは考えにくい。映画の中ではこのような表現が好まれるようである。
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