恕の人、孔子伝
中国大河ドラマ「恕の人~孔子伝」1話、2話を見る。全35話ある。全然知らないことも多い。さて我が国には「王仁が論語、千字文」を伝えたのが応神15年とある。西暦285年のことであるが、千字文は6世紀前半の成立なのでつじつまが合わない。おそらく、この話は、書物、文筆を生業として大和政権に仕えた河内の渡来人系氏族の間にできた伝承であろう。論語の伝来は5世くらいか。観音寺遺跡から習字木簡の論語が出土している。7世紀前半には学校で学習していたのである。奈良時代には鄭玄、何晏の二注が伝えられた。日本では論語はわかりやすさから人気があったと思われる。中国では、論語はあくまで副読本のようなもので、書経をはじめとした五経が上位を占めていた。論語が評価されるのは宋代からである。日本で論語を愛読した人物といえば加藤清正である。あるとき、飼い猿が論語の書物の上にいたずらをしたが、清正はこの猿を叱ることなく、「そうか、お前も論語を勉強したいんだね」といって撫でてあげた。この有名な逸話によって論語が武士の間にも浸透していった。
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