ハンチントン病とコンゴレッド
舞踏病は、唐突におこり、速く、不規則に繰り返す不随意運動を主体とする錐体外路系の病気の一つで、不随意運動によって踊るような歩き方をするので、かつて舞踏病と呼ばれた。日本では2001年から「ハンチントン病」の名称を用いている。現在でもまだ治療方法は知られていないが、近年、病状の進行を遅らせるコンゴレッドと言われる物質の研究がなされている。病名は1872年に米国ロングアイランドの医師ジョージ・ハンチントン(1855-1916)に因んでいる。
症状は、奇妙でちょっとまねのできない運動、たとえば顔をしかめたり、口をゆがめたり、首をすくめるような、からだ全体が踊っているような運動が自然にでてきて、自分で止めることができない。そのために、言葉、食事、姿勢、歩行、そのほか、日常生活動作がぎこちなくなり、知能低下をきたす場合もある。急性に発病し、治癒傾向のある小舞踏病と、慢性進行性のハンチントン病が代表的である。小舞踏病は主として小児期にみられる自然治癒するのが多いなど、経過は概して良好である。ハンチントン病は多くは中年期以降に発病する遺伝性疾患で、慢性進行性に経過し、精神知能障害を伴う行動異常を呈し、随意運動がてきなくなり、全身衰弱となる。
« アブラハム・リンカーン2世 | トップページ | こわい民話やわらべ唄 »
「自然・科学」カテゴリの記事
- 世界を変えた科学理論の発見(2024.06.02)
- 忍冬(2024.05.11)
- リーゼガング現象(2024.04.22)
- 大雨による被害(2022.08.12)
- フグの毒(2022.07.30)
コメント