抑圧された科学者グレイ
スティーヴン・グレイ(1666-1736)は電気の発展に貢献した科学者でありながら、なぜか教科書にあまり載っていないし、記念碑もない。電気を表す英単語electricityはギリシヤ語の「エレクトン」(琥珀)に由来する。古代ギリシヤ人が琥珀をこすることにより静電気が発生したことにちなんでいる。このように電気に関する現象は古くから知られていたが、科学としての進歩が見られるのは17、18世紀になってからである。ギルバート(1544-1603)は磁気と静電気を区別し、ゲーリケ(1602-1686)は静電発電機を発明した。そしてスティーヴ・グレイは1729年に金属が電気的性質を伝えることを発見し、その作用をおこす存在わ電気と名付け、物質ほ導体と絶縁体とに分類した。グレイの業績が認められたのは晩年になってであるが、不遇であったといわれる。それは彼の支持者フラムスチードがニュートンと不仲であったためで、意図的に無視されていたらしい。
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