モルモン教とロムニー
一般に日本でモルモン教が知られるようになったのは、1970年の大阪万博からだろう。「モルモン館」は神秘的な中に敬虔な雰囲気に包まれ記憶に残るパビリオンだった。その後、日本では信者が一挙に12万人に増加した。アイドル斉藤由貴がモルモン教徒というのも話題になった。2002年冬季五輪ソルトレイクでもモルモン教が話題に出た。新興宗教というと批判も指摘される。一夫多妻というのも創設者のジョセフ・スミスの頃のことで、現在では主流派はもちろん一夫一婦制である。(分派として一部には原理派がいるらしい)酒、煙草の禁止、家庭を大切にする、敬虔な信者が多い。ケント・ギルバートやケント・デリカットをみればわかるだろう。いま人気の政治家ウィラード・ミット・ロムニーがモルモン教徒なのは有名な話。容姿・知性・学歴などパーフェクトな大統領候補。「恐ろしいほど完璧な大統領候補」というのが長所でもあり欠点でもある。全てが信仰からきていることは言うまでもない。もし彼が大統領になれば日本人のモルモン教に対する考えも大きく変わるかもしれない。国立国会図書館の蔵書検索すると、こんな本が見つかった。内田融の「モルモン宗」、文明堂から明治35年1月に刊行されている。日本にモルモン教が伝わって110年以上が経つのである。
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その後、近年では日本のモルモン教(末日聖徒イエス・キリスト教会)は停滞気味であります。
70年万博以前の改宗者で、今やリベラルな教徒になっている小生ですが、ブログにいろいろ研究記事のようなものを綴っております。何かの折に訪ねていただければ幸いです。
投稿: 沼野治郎 | 2012年3月13日 (火) 10時38分
現在、モルモン教の主流は一夫一婦制でもない。というより一夫一婦制に限らずキリスト教の原理主義的な価値観を期待する人がモルモン教へ集まって来る傾向にある。それは聖書を文字通りに捉えキリスト教を原理主義的な価値へ回帰させようとする動きでもあり、結果的に米国社会のモルモン教の存在理由は、それらの期待からの後押しとなっている。
その為モルモン教徒は白人至上主義的な傾向が強い。
投稿: S・S・R | 2012年4月11日 (水) 07時37分