翻案それとも盗作?
山田洋次の映画「幸福の黄色いハンカチ」はピート・ハミルの小説を原作に翻案・映画化したものとしてよく知られる。むかしから外国の作品を自国の設定になおして、リライトすることはよくある。尾崎紅葉の「金色夜叉」も実はイギリスの小説「女より弱き者」(バーサ・M・クレー)を基にしているという研究がある。シェークスピアの「ハムレット」にも、「スペインの悲劇」(トマス・キッド著)という元になった話があったという。最近、ヨーロッパではスイスのヨハンナ・スピリ(1827-1901)の「ハイジ」(1880年)も1830年ごろドイツで出版された「アルプスの少女アデレード」(ヘルマン・アーダム・フォン・カンプ著)に筋が酷似していことが指摘され話題になっている。アルプスの山小屋に住む少女がドイツの都会に引っ越すという設定が同じなのだそうだ。翻案か盗作か、それが問題だ。
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