待賢門院堀河
NHK大河ドラマ「平清盛」。鳥羽天皇の中宮璋子に仕える女房・堀河局(りょう)。西行とも親しい関係。歌人として有名でドラマでも百人一首80番の歌が詠まれていた。
長からむ心も知らず黒髪の乱れてけさはものをこそ思へ
ひたぶるな愛に生きる女の姿があざやかに浮かんでくる。当時においては、女性の黒髪は今日では想像出来ないほどのいのちを含み、女性美の象徴でもあった。たとえば源氏物語、若紫の巻に「髪は扇をひろげたるやうにゆらゆらとして」「髪ゆるらかにいと長く」「こぼれかかりたる髪、つやつやとめでたう見ゆ」等、紫ノ上をたたえるにすべて髪の美しさを通して語られている。「長からむ」の歌は女性らしい実感を強く歌い上げ、かつその不安ななやみもみれる。官能の香りの強い歌である。
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