絆される
2011年の「今年の漢字」が「絆」だったせいか、近ごろ「絆」という文字がやけに目につく。「絆ほっこり東北の鍋」という番組名がある。「絆」も「ほっこり」も人気ある言葉を巧みに並んでいる。「絆」はよく知られた漢字なのに、なぜか「絆される」という文字を読めない人が多い。「ほだされる」と読む。「束縛される」「からみつかれる」という意味。「情にほだされる」と使う。ホダシとは、馬の脚に縄をからませて歩けなくすること、またその縄をホダシといった。人についても手足にかける鎖や枠など、すなわち手カセ、足カセである。「絆」を「きずな」と読むときも「恩愛の絆を断ち」(沙石集)というように「断つ」が後に続くことが多かった。「絆」の語感も様変わりするものである。
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