飛ぶ夢をしばらく見ない
細川俊之と石田えり主演「飛ぶ夢をしばらく見ない」(1990)を見る。48歳の田浦は、骨折で入院。病院側の都合で宮林という女性患者と一夜だけ個室をともにする。衝立で仕切られた2人はポッリ、ポッリ話をする。そして女は驚くようなことを言う。「私を犯してくれますか?」翌朝、看護婦によって衝立が取り払われたとき、田浦の目に入ったのは、67歳の老婆だった。退院後、女から会社に電話がかかってきた。田浦は忙しいと断わる。しかし街で偶然に田浦が目にした宮林は和服を着た40前後の女だった。不思議なことに女は会うたびに若くなっていく・・・。映画は2人で逃走したり、拳銃を発砲したり、中途半端なアクションとなり、奇妙な作品になってしまった。ファンタジーに仕上がっていれば別な作品になっただろう。ともかくブラッド・ピッドの「ベンジャミン・バトン」(2008)より18年も前に「若返り映画」が日本にあったのだ。細川俊之は昨年亡くなった。舞台やミュージカル、ラジオの「ワールド・オブ・エレガンス」など二枚目で有名だったが、映画、ドラマでは多彩な一面を見せていた。「女囚さそり」「あしたのジョー」の力石徹など珍品もある。この「飛ぶ夢をしばらく見ない」も愛すべき珍品である。
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