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2012年2月16日 (木)

忘れられぬ人々

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    篠崎誠監督の映画「忘れられぬ人々」(2000)は、シュールとでもいうべき不思議な味わいの作品に仕上がっている。3人の戦友たちの老後を描いているのだが、いわゆるありきたりな病気と生死だけではなく、現代社会の矛盾など変わった視点で問いかけている。後半から霊感商法で被害に遭う老人が出て、日本刀で会社に復讐する壮絶なラストは異様ともいえるが、三橋達也、大木実ならそれを期待するファンもいるだろう。突貫小僧の青木富夫が暗くなる映画にユーモアをかもしている。老優をよく知っている日本人が見ると面白いと思っていたら、意外に俳優のことなど全然知らない海外の人がこの映画をみると、新鮮な感動があるらしい。映画とは不思議なものである。内海桂子が「私たち死んだら思い出もなくなっちゃうのかしらねぇ」というセリフがあるが、そんなことはない。3人の俳優の名演技は深く心に残っている。

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青木富夫(左) 「突貫小僧」(昭和4年)

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