フカ切り岩の不思議
芦屋川をさかのぼっていくと、弁天岩とフカ切り岩がある。むかし、芦屋付近の人々は、干ばつがおそうと農作物が枯れ、苦しい生活をしなければならなかった。こんなとき人々は、芦屋川の上流にある弁天岩の水神に雨乞いのお祈りをし、それでも雨が降らないときは、フカ切りの行事を行った。それは、芦屋沖で捕らえた鱶を、フカ切り岩といわれる大きな俎板にのせて料理し、その血を弁天岩に浴びせると、水神が怒り、汚れを洗い流すため大雨を降らせてくれるという。天保5年8月1日から95日の日照りが続き、山伏の勇徳院彦兵衛が断食をして、このフカ切りの行事を行った。すると、石宝殿あたりから、にわかに黒雲がたち、雷とともに、大雨が降った、と芦屋の古記録には記されている。
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