チャモロ族とマリアナ諸島
チャモロ族とはマリアナ諸島の先住民。マゼランがこの島を発見したのは1521年。それよりもずっと前の紀元前16世紀から、この島々にチャモロ人が居住し、文化を繁栄させていた。1667年、スペインはこの島を植民地とした。4万人に達していたチャモロ族の人口は、1710年の人口調査のときは3539人に激減していた。人口激減の背景には、スペイン人による殺戮や、天然痘などの疫病があるとされる。米西戦争によってグアム島が1898年にアメリカに割譲され、これ以降、グアムは他の島と政治的に異なる立場をとる。1914年、第一次世界大戦で日本はドイツ領マリアナ諸島を侵攻し、実効支配下を置いた。国際連盟によって、マリアナ諸島は日本の委任統治領と認められ、サイパン島を中心に日本人による殖産興業が進められ、その結果、サイパン島、テニアン島は、太平洋戦争中、戦略上の要衝として、多くの民間人を巻き込んだ地上戦の舞台となった。1942年半ば、ミッドウェー沖海戦での日本敗北に続いて連合軍は着実に西進を続け、1944年夏、マリアナ諸島の奪還に成功。即時に米国軍の基地となり、サイパンとテニアンには飛行場が設置された。世界初の原子力爆弾を搭載したB29型機が1945年8月、広島、長崎へ向けて飛び立ったのが、このテニアン飛行場である。1978年1月からサイパン、テニアン、ロタなど14島は、北マリアナ諸島連邦として米国自治領となった。(コモンウェルス規約を締結)
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