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2011年12月 6日 (火)

汚れた英雄

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     むかし熱血柔道漫画という男子しか読まない、独自の世界があった。そこはどんなに辛くてもくじけずこの世の悪と立ち向かう、正義一筋の世界だ。「イガグリくん」「イナズマ君」そしてのちの「柔道一直線」など。どこの中学校でも柔道部は学校の花形だった。

    日本の柔道は明治の青年が海外に雄飛して、普及に努め、世界に知られるようになったものである。その行為は決して自己の名声や栄達を求めるものではなく、完全な無私のものであった。未知の国の寒村で柔道教室を開き、名も知らず世を去った柔術家も多い。いつごろから日本の柔道家が堕落するようになったのだろうか。皮肉なことだがオリンピックで金メダルを獲り、それが身の栄達になった頃からだろう。国民栄誉賞をもらうことも堕落に拍車をかけた。柔道は正しくあらねばならない。暗い世に光を投げるのが柔道である。アテネ、北京の金メダリスト内柴の行為は大いに日本の柔道を汚した。たとえ彼が合意であると否認したとしても、女子部員との性交は指導者として恥ずべきことであり、柔道界から永久追放に値するものであろう。勝負の勝ち負けにのみこだわり、心の修行を怠った日本柔道界は八百長の国技大相撲と同様最低である。

 

   九州王国という言葉がある。邪馬台国。キリシタン大名。西南戦争。九州は1つになれば日本とも互角に戦う力がある。そして九州は柔道王国。内柴正人、山下泰裕、上村春樹は熊本。園田勇、二宮和弘、中村兼三、谷亮子は福岡、古賀稔彦は佐賀、井上康生は宮崎。九州だけで11個の柔道金メダルを獲得している。国民栄誉賞、県民栄誉賞、紫綬褒章など勲章も山ほどある。九州男児は格闘技は強い。だがそのような強い九州男児の驕りが暴走することもある。

 

 

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