消えたマレーの指導者ライ・テック
マレーシアは多民族、多言語、多宗教の国。多数派のマレー人がわずかに過半数を超える程度で、あとは中国系やインド系、ボルネオ島などの先住民族など30以上の民族からなる。22年間にわたるマハティール首相のもとで東南アジア有数の経済発展をとげている。
ところで1941年から始まる日本軍のマレー侵攻では、マラヤ人民抗日軍が組織され植民地政府から弾圧を受けていたマラヤ共産党(主に中国人からなる)の指導軍は敵の敵は味方の論理で英軍と協力し日本軍にゲリラ戦を展開していた。そのマレー共産党の指導者がライ・テック(Lai Teck)という人物だった。「ライト氏」とか「クアラルンプールの不思議な商人」とか呼ばれていたが、その正体はよくわからない。戦後もマレー共産党書記長となって表面にでたが、1948年英保護領マラヤ連邦、1957年ラーマン首相のマラヤ連邦が独立し、マレー人優先のプミプトラ政策のなかで、ライ・テックは忽然と消えてしまった。
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