詩が先か?、曲が先か?
テレビで「第44回日本有線大賞」を放送している。ふくい舞「いくたびの櫻」が受賞した。作詞は山上路夫。天地真理のヒット曲でしられる作詞家。欧米では曲が先につくられることが多いが、日本ではなぜか詩が先につくられ、後から旋律がつけられる場合が多い。「神田川」もそうである。喜多條忠は「いい詩ができたので曲をつけてほしい」と電話で南こうせつに頼んだ。南はすらすらとメロディが浮かび1時間で出来たのが「神田川」である。一説には演歌は詩が先で、ポップス系は曲が先、という傾向がある。
ところで神田川の歌詞のなかに「貴方の優しさが怖かった」とある。なぜ優しさが怖いのか、作詞家である喜多條はこのように説明している。当時、学生だった彼は同棲していた。学生運動で家へ帰ってくると、彼女が夕食にタマネギを刻んでいる。その後ろ姿をみていると、彼女がいとおしくて学生運動をやめて就職活動をしようと思った。だが、その瞬間、その気持ちが自分の中で怖くなった。これまで抵抗していたのに体制にあわせて生きようとしている自分がいる。そのような気持ちから「神田川」の歌詞が出来て、あの「貴方の優しさが怖かった」というフレーズとなった。
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