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2011年12月22日 (木)

大木伸夫「鉃路の男」

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    むかしTBSの「アッコにおまかせ」峰竜太のコーナーで「変なレコード・ジャケット」を紹介していた。古いレコードには様々な思いでがあって懐かしいものだが、ここでは基本的には大阪弁でいう「オチョクリ」が基本テイストだ。ある日、登場したのが大木伸夫の「鉃路の男」。浪曲師出身の有名な歌手だったが、そのころ既に過去の人として忘れられていた。ジャケットの文字「鉃」の字が間違っているというのである。たしかに「鉄」の字は「金」へんに「失」が正しい。学校の先生ならば、×をつけるだろう。なぜわざと「鉃」の字を使ったのか鉄道関係者ならわかっている。むかしから、鉄道の世界では「金」が「失う」では縁起がわるいので、わざと「鉃」の字を書くことがあった。

  国鉄赤字の分割・民営化のとき、鉄道会社のデザインの文字に「鉃」の字が使われた。これに対して、朝日新聞の投書で「小学五年の長女から「どうして変えるの」と聞かれて困まりました。国鉄が「字体の縁起が悪い」のを理由に変える前例となれば、ほかの鉄道会社などもまねするかもしれないし、漢字の乱用にもつながります。大人たちが自分の都合で変えるのは、子どもの教育にもよくありません。」(「金より良識失う」)として反対の声が上がった。国鉄は「鉃の字は常用漢字にはないが、「難字大鑑」(柏書房)には俗字として載っており、旧字体からみれば鉄も俗字で、決して誤字ではありません」と強弁した。これに対して漢字学者からは、「鐡」の略字に「鉄」があてられたのは「秩」「跌」「迭」など「-ツ」とういう音がすべて「失」にもとづいているからである。「鉃」という字では「テツ」という音は出てこない。縁起をかついだだけの「ウソ字」「誤字」であるとされた。ポスターやデザインで使うだけならそれほど問題はないと思うのだが、この「鉃の字」問題はヒステリックな状況の中で忘れ去られていった。もちろん法務局の通達などで「戸籍の氏名欄に記載されている誤字・俗字の一覧表」にあるので、いつでも改正が認められる。またJIS第二水準の漢字にもあるので、このように表記できる。日本独自の伝統としてはかすかに残っているのである。

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