逆立ちさせられた間抜け王
ヴァイキングがフランク王国を襲いはじめたのは8世紀末からで、さすがのカール大帝もこれには手をやいたが、次のルイ敬虔王が貢物を与えてご機嫌をとったことが、ヴァイキングを増長させた。彼らの侵入はシャルル2世禿頭王、シャルル3世間抜け王のとき、北フランスの沿岸地方に進入してきた。
ロロはヴァイキングの首領の1人で、911年にシャルル3世からキリスト教の改宗と国土防衛を条件に、ノルマンディー地方と王の妹をあたえられ、ノルマンディー公に封じられた。名をロベールと改めた。
ロベールは、その君臣の誓いの儀式である臣従礼(オマージュ)をおこなうことになったときのことである。ロベールのそばにいた司教がかれに、「こんなすばらしい贈り物をうけるものはだれでも、あいさつとして国王の足に接吻するものだ」というと、ロベールは「わしはどんな人間にも、ひざをまげようとは思わない。他人の足に接吻するなどはもってのほかだ」と剣もホロロにことわった。しかしフランク人があまりにつよく頼むので、いきなり国王の足をかかえて逆立ちをさせて、ゆうゆうと臣従礼を終えたという。
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