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2011年10月24日 (月)

ブーケファラス

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  アレクサンドロス3世がまだ王子だった頃の話である。父王フィリッポス2世のもとにテッサリアから1頭の名馬が贈られた。ブーケファラス(Bucephalus 牛の頭をした馬という意味)と呼ばれた荒馬は誰も乗りこなすことができなかった。フィリッポスは機嫌を損じ、連れ出すように命じた。ところが、そこに居あわせたアレクサンドロス王子は言った。「下手で臆病で乗れないからといって、あんな名馬を置いておくのはもつたいない」と。王は「お前に馬が乗れるのか」と言うと、アレクサンドロスは「この馬ならほかの人より上手に扱えます」と言った。「もし出来なかったならば、この馬の代金を払います」大笑いがおこった。アレクサンドロスはすぐに馬のところにかけよって馬靭をとり太陽の方に向けたが、これは馬が前に落ちる自分の影が動くのを見て騒ぐのだと見てとったためだった。こうしてしばらく速歩で行く馬に細心の注意を払いながら、馬に安心感を与えた。そして馬が落ち着いたとみるや静かに外套を脱いで飛び乗り、しっかり跨った。手綱でくつわを軽くしめ、打ったり、強くしめて口を痛めたりせずにおとなしくさせた。馬に脅かす気がなくなり駆け出そうとするのを見ると、駆足に移り、その時大声で励まして足で腹を蹴った。みんなは歓声をあげたが、フィリッポスは喜びのあまり涙を流し、馬からおりた王子の頭に接吻して「ああ、お前にふさわしい王国をさがすがよい。マケドニアにはお前のいる場所がない」と言ったと伝えられる。

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