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2011年10月25日 (火)

オーレル・スタイン

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 樹下説法図 8世紀中頃 敦煌

    本作品は絹に描かれたもので、朱衣をまとった仏陀が、菩提樹の下に坐り、説法の印を両手で結ぶという構図で、敦煌に伝えられた唐朝仏画の代表作。1907年に考古学者オーレル・スタイン(1862-1943)が敦煌千仏洞を発掘調査した際に英国へと持ち出した美術品の一つである。現在、大英博物館スタイン・コレクションとして管理保存している。

    スタインは1904年イギリスに帰化したものの、ブタペスト生れのユダヤ系ハンガリー人である。またスタインはサンスクリット語、チベット語、その他の中央アジア諸語の知識を持っていたが、漢文は読めなかったし、仏教学の教養はなかった。そのため宝庫の漢訳経典や珍書籍の類の多くを見落としている。それでもスタイン収集約1万点が大英博物館にある。パリ国立博物館にはペリオ収集約6000点が、レニングラード・アジア諸民族研究所にはオルデンブルグ収集1万点がある。なお最初に敦煌を訪れた西洋人は1905年、ロシアのオブルチェフ(1863-1956)であるが地質学が目的であるため、文物の持ち出しはなかったようである。

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