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2011年9月11日 (日)

古今東西史話・陶侃

    陶侃(259-334)は東晋時代の武将。荊州、雍州、益州、梁州の都督をかね、南蛮校尉、征夷大将軍となった。陶侃は軍政の実務家であるから、当時の士人の間に流行していた老荘の思想は好まなかった。ある時、未熟な稲を手に持っている人を見つけて、陶侃がたずねた。「それを何にするつもりか?」「道ゆくままに、気まぐれに引き抜いたまでさ」陶侃は真っ赤になって怒った。「おぬしは自分で田も作らず、たわむれに人さまの稲を盗んだのか」と。このとおり真面目な人間だった。76歳で病没するまで、「妾数十人、召使千余、珍奇なる宝貨は、朝廷よりとめり」といわれた。力も富も並はずれたほどの豪族だった。曾孫の陶淵明が「帰りなんいざ」と官を辞して郷里に帰ったとき、そこには田園があり旧宅があって、温かく迎えてくれたのは、やはり陶家の子孫だったからであろう。

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