コラ・ヴォーケールとシャンソンの名曲「枯葉」
シャンソンで世界中に知られた「枯葉」は1945年に初演されたローラン・プチのバレエのために作られた曲だった。1946年の映画「夜の門」の中でイブ・モンタンがうたったが、ヒットしなかった。その後、ジュリエット・グレコ、レオ・マジャールらが歌ったが、ラジオを通じて「枯葉」を広めたのはコラ・ヴォーケールである。秋の枯葉によせて、うつろいゆく恋や人生の姿が、しみじみとえがかれている。
コラ・ヴォーケール(1918-2011)は1918年7月22日、マルセイユで生まれた。本名はジュヌヴィエーヴ・コラン。子供のころ家を飛び出してパリへ来て、まず俳優となって、サラ・ベルナール座やコメディ・フランセーズに出演した。1939年、パリの放送局のコンクールに優勝して歌手を志す。1941年、新人コンクールで1位となる。「枯葉」のほかには「小さな三つの音」が知られている。映画「かくも長き不在」の主題歌で、ある女性が、戦争で行方不明になった夫をさがし、やっとそれらしき人を見つけ出したとき、彼は記憶喪失にかかっていた。そこで、彼女は、昔を思い出させようと、この歌のレコードをかけて、夫が好きだったダンスを踊る。コラ・ヴォーケールは今年9月17日、パリで逝去された。享年93歳だった。
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