秋山秋紅蓼
俳句の世界は「ホトトギス」の影響で、有季定型の伝統俳句がいまだ勢力を保っている。そして無季俳句といえば種田山頭火、尾崎方哉ばかりが知られるが、秋山秋紅蓼(1885-1966)など芸術性は認められてよい。「あきやましょうこうりょう」と読む。本名は秋山鉄雄。富士川舟運とともに栄えていた呉服問屋大黒屋の二男として、山梨県南巨摩郡鰍沢町に明治18年12月、生まれた。秋紅蓼は無季自由律の論客として荻原井泉水を支えた。句集に「夜の富士」「梅花無限」など。
春の白い富士に犬が来ている野の道
夕べ吹かれているみんなふるさとの草
僧一人わたりゆき長き橋夕空
船を満月の町につける
虫一つ鳴けり鳴きつづく虫ら
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