紀元前1万年の世界
日曜洋画劇場で「紀元前1万年」(2008)が放送されていた。更新世がおわり、後氷期に入ると、気候はしだいに温暖となり、氷河は後退して、海陸はほぼ今日のような形となった。寒系の大型獣(マンモス・トナカイなど)は消滅するが、より寒冷な地方に移動し、暖系の小型獣や水鳥・魚介類などが繁殖した。こうして完新世(約1万年前)になると、人類は自然環境の変化に対応しながら、地域ごとに生活様式をかえていった。CGを使った1万年前の世界に興味と興奮をおぼえる。だが文化の発達段階には、突っ込みを入れたくなるシーンも多い。たとえば女性たちが奴隷として他の部族に連れ去られて、大船団が川を走るシーンがある。帆走する大型船は1万前には存在しないだろう。戦争の勝者が女たちを奴隷とすることは有りうるとしても、映画のような巨大建造物の存在は無かっただろう。全体的には前1万年と紀元前4000年ころが混在するように感ずる。
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