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2011年6月15日 (水)

この国の元首はだれ?

   日本の元首は誰なのだろうか。明治憲法には、「天皇は国の元首」であると明定していたが(4条)日本国憲法には「元首」という言葉は全く用いられていない。考えられるのは次の3者であろう。

A.内閣を代表する内閣総理大臣

B,天皇

C.主権在民の下、一般国民

  おそらく、内閣総理大臣と考える人が多いだろう。だが、国際関係にあって、諸外国は、事実上、天皇を元首として処遇している。「象徴天皇は元首ではない」とする天皇非元首説もある。だが憲法1条の、「天皇が日本国および日本国民統合の象徴である」が天皇が国家元首であることを表現したものであるとする説もある。政治的リーダーは内閣総理大臣であるものの、「なんらかの伝統的ないしカリスマ的威厳が伴うこと」という要件からみると内閣総理大臣を元首と呼ぶには些か無理がある。つまりこの国には元首と呼べる者がいないのである。昭和48年6月28日、参議院内閣委員会吉國一郎内閣法制局長官は次のように答弁している。「共和制でないことはまず明らか」「立憲君主制と言ってもさしつかえない」天皇が元首であるかどうかについては、「かつてのように元首とは内治、外交すべてを通じて国を代表し行政権を掌握をしている、そういう存在であるという定義によるならば、天皇は元首ではない。しかし、今日では、実質的な国家統治の大権を持たなくても国家におけるいわゆるヘッドの地位にある者を元首と見るならば、天皇を元首であると言ってもよいと考えている」(要約)と述べている。

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