「あしたのジョー」のルーツ
捨て身の両手ぶらりのノーガード戦法は昭和35年ごろ本当に話題になっていた
梶原一騎の「あしたのジョー」の主人公矢吹丈はどのようにして誕生したのだろうか。ストーリーの大元となる元ボクサーが果たせなかった自分の夢を新人ボクサーに託して、厳しいトレーニングの末にチャンピオン(勝利者)になるという拳闘(戦前は拳斗だった)映画は日活アクション映画でもさかんに作られた。おそらく梶原一騎も見て参考にしたと思われる。石原裕次郎の「勝利者」(1957)、赤木圭一郎の「打倒」(1960)などある。とくに「打倒」と「あしたのジョー」には共通点がみられる。対戦相手が死んでしまうこと。不意に両手をだらりと下げるノーガード戦法も映画に登場する。(実際にノーガード戦法を使ったのは斉藤清作(たこ八郎)だった)また丈の2人の恋人、林紀子、白木葉子の原型とみられる稲垣美穂子、和田悦子のヒロインも登場する。だが梶原は後年にピストン堀口について語っていることから原型の1人であることは間違いない。つまり矢吹丈のモデルは、ピストン堀口+赤木圭一郎+たこ八郎である。轢死、追突死、溺死と死に様は衝撃的であるが、矢吹丈はどうしているのだろうか。
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