プルターク英雄伝佚篇「エパミノンダス」
ギリシア・ローマの英雄の伝記を対比して書いたプルタークの「対比列伝」はむかしからよく愛読された西洋古典の1冊である。ことに16世紀中ごろアミヨの仏訳以来広く知られ、ナポレオンやゲーテ、シラー、ベートーヴェンも愛読した。イギリスではシェイクスピアがアミヨ訳からの英訳を読んでその史劇を書いたことは有名である。
「対比列伝」で現存するのは22組の対比列伝と4篇の単独伝記である。散佚した伝記はエパミノンダスとスキピオ、単独伝記としてはスキピオ・アフリカヌスとアウグストゥス・ティベリウス、クラウディウス、ネロ、ガイウスの皇帝伝、またヴィテリウスの伝、またギリシアのではヘラクレス、ヘシオドス、ピンダロス、クラテレスなどの伝がわかっている。プルタークは中部ギリシアのボィオティア地方の出身で、同郷の英雄エパミノンダスから書き始めたといわれている。郷土テーベが生んだ最大のヒーローの伝記が残らなかったのは残念なことである。
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