専門の多様性
むかしは「この人、この著書」という定番のような本があった。野尻抱影「星座のはなし」、末広恭雄「魚の履歴書」、犬養孝「万葉の旅」、藤堂明保「漢字の起源」、井上靖「西域物語」、中谷宇吉郎「雪」、田中美知太郎「ソクラテス」、渡辺照宏「仏教」、小泉信三「読書」、笠置山勝一「相撲」などなど。
いつのころからか、専門外の本のほうがよく売れるという現象が起きている。出版社は意外性を狙っているのか。フランス文学者の平野威馬雄は円盤や妖怪の専門家になった。山口昌男も人類学よりも「道化的世界」「文化と両義性」という文化論のほうが読まれているみたいだ。池内紀も多様な分野の本を出すようになった。
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