キャサリン妃とアン・ハイド妃
ロンドンのウェストミンスター寺院で英王子ウイリアムとケイト・ミドルトンの結婚式が行われた。未来の国王が一般家庭出身の女性と結婚するのは、1660年のヨーク公(のちのジェームズ2世)以来、約350年ぶりと新聞記事にある。「一般家庭」というのは、つまり「平民」のこと。(使うとマズイのだろう) 1660年、ジェームズとアン・ハイド(1637-1671)は、いわゆる「できちゃった婚」だった。秘密の結婚式。10月に長男チャールズを出産するが、7歳で夭折。アンも34歳の若さで亡くなっている。結局、ジェームズが王位に即位する以前に死去したので王妃にはなれなかった。そして夫のジェームズは英国史の悪役。イギリス人にとって1688年の無血の名誉革命は誇りであり、ウィリアム3世は英雄である。反対にジェームズは「旧教を支持した専制君主」として悪役像が残っている。しかし、近年、ジョン・ミラー著「ジェームズ2世」(初版1978年)以後、再評価の動きもあるという。どうかウィリアム王子とキャサリン妃、末永くお幸せに。
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