網野菊と真杉静枝
網野菊(1900-1978)は日本女子大学で、同級の中条百合子が華々しく文壇に登場することに焦りを感じていた。大正12年9月、湯浅芳子と福島県高湯に滞在中、関東大震災にあい、帰京の途中、京都に志賀直哉を訪ねた。網野23歳、志賀40歳である。以来、網野は生涯志賀に師事した。
最初の結婚に失敗し、新聞記者となった真杉静枝(1901-1955)は24歳のとき仕事で出会った武者小路実篤に公私にわたる支援を受け小説家になる。昭和7年まで武者との半同棲関係は続いた。以来、中村地平、菊池寛、中山義秀ら男性遍歴を重ねるが、作家としては行き詰まり精神に破綻をきたす。志賀と武者に師事した2人の女流作家、網野菊と真杉静枝は対照的な人生を歩む。
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