聖徳太子を知っているか?
ちょっと前の事件だがテレビの生番組で司会の田原総一朗が四宮正貴にむかって「きみ、聖徳太子を知っているか?」と偉そうに問いかけた。すると四宮はスゴイ形相で激怒した。田原は落ち着いた調子で「聖徳太子とはね、和の精神でね」とペラペラと誰もが知っているようなことを話しだす。ハタ坊やバカボンのパパに似た顔の田原が喋るからなお効果的だ。怒った四宮は田原のディベート戦術に嵌められた。興奮したほうが負けは誰の目にも明らかだった。
うまい。聖徳太子というもっとも日本人が知っていて、いかさまくさい話がにくいほど上手い。本当は歴史上では聖徳太子の存在などはウソであることはほぼ決着している。通俗書もででいる。大山誠一、谷沢永一なども「聖徳太子はいなかった」としている。戦前の津田左右吉以来、懐疑的な学者はいた。だが日常的な会話で聖徳太子を否定することは慎んだほうがいいだろう。一般国民は教科書的な知識をいまだに持っているので聖徳太子の存在は消えることはないだろう。「聖徳太子を知っているか?」という当たり前の問いかけは、右翼的な学者に対して、さらに効果が増幅するようだ。
« 午後の音楽 | トップページ | 著名人の震災救援活動 »
「日本史」カテゴリの記事
- 河越城の戦い(1546年)(2024.04.20)
- かえり船(2024.03.23)
- 鍋島騒動(2024.03.20)
- 勘解由使(2024.01.14)
- 藤原兼家(2024.01.12)
コメント