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2011年3月16日 (水)

聖賢の言葉の真偽

   長い間、朱熹の詩とされていた「少年老い易く学成り難し」は最近の研究により後世の偽作であることがわかった。「和を以て貴しと為す」「人の一生は重荷を負て遠き道をゆくがごとし」「世の中で一番楽しく立派な事は生涯を貫く仕事を持つことです」などの言葉はどうか。それぞれ、聖徳太子、徳川家康、福沢諭吉などとまことしやかに伝えられてはいるが、すべて後世の偽作である。

    ではこれらよりも、はるかに古い言葉、「朝に道を聞かば、夕に死すとも可なり」「己れの欲せざる所は人に施す勿れ」はどうか、本当に孔子の言葉なのであろうか。

    「論語」を編纂したのは誰であるのか不明であるが、孔子(前551-前479)の弟子である曾子(前505-前436)の臨終の言があるので、前436年以降である。津田左右吉などは、孔子を聖人として尊ぶようになった孟子(前372-前289)の時代であるとする考えもある。つまり孔子の死後50年から130年後のことである。つまり「論語」は孔子の言葉というよりも、孔子を尊敬した孫弟子が創作したものと考えるほうが妥当と思われる。ただし長年、東アジア世界で聖典とされてきているだけに、たえず論語・孔子を利用しようとする人々が多いのが事実である。いま中国では論語ブームだそうである。

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