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2011年3月 2日 (水)

「マレーナ」と「母べえ」

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  戦時下の女性に視点を当てた映画は少なくない。作品には国民性が強く反映される。モニカ・ベルッチ「マレーナ」と吉永小百合「母べえ」はイタリアと日本の国民性がうかがえる。町一番の美人マレーナは男たちに好奇の目でみられ、女たちからは嫉妬される。夫は戦死したと知らされ(実際は生きて帰ってくる)、浮気を訴えられるが、弁護士から性的強要され、やがてはドイツ将校の売春もするようになる。一方の佳代は特高に思想犯として検挙された夫を信じながら子供たちを育てる健気で貞淑な妻。ファシズム政権下で対照的にみえるが、マレーナにもそうせざるを得ない状況があり、夫を愛し続けていたことが最後のほうでわかる。ボッカチオ以来の独自のイタリアン・エロスを進展させてきたイタリア人はあくまで本音で勝負する。日本人は建前や美徳を重んじる。戦時下になるとなおさら軍国美談が感動的だと思うのだろう。ブログでの映画批評は両者に厳しい。たとえば「マレーナ」は男目線だという女性からの指摘。たしかに建前を重んじ、官能を否定する人がみれば低い評価になるかもしれない。しかし戦時下、善悪が混沌とした時代に生きぬいた一女性がややショボクレた姿で買い物をするラストの場面にこそエロスを感じる。「イタリアの宝石」といわれたモニカも当時35歳をすぎていた。映画には卑猥な言葉がたくさん登場するが、実は良質の気品ある映画だった。お父さんが少年を売春宿に連れているシーンは少年の妄想なのか現実なのだろうか。「マレーナ」と「母べえ」との父親像も対照的なのである。「マレーナ」の少年の父親は平均的なイタリアの親父像のような気がする。日本人は本音よりも美化されたものを好むように思える。

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コメント

マレーナはいい映画でしたね。同時に当時のイタリア人女性がドイツ軍の慰安婦になっていたことも知りました。

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「マレーナ」は、心に残る作品の一つです。モニカ・ベルッチ、官能的で美しい。高嶺の花と思っていた人妻であるマレーナが、夫が戦死し、(実は生還する)最後の後ろ盾であった父親が亡くなった事により、次から次と下心丸出しで近づく男達、元々マレーナに嫉妬していた女達は、生きて行く為に男達を受け入れ、開き直りのように真っ赤な口紅を引き、娼婦として人々の前に登場するマレーナには、悲しみよりも、理不尽な世間の目、非難に対する戦いの決意のようなものを感じました。
そして、少年の滑稽なまでに純粋なマレーナに恋い焦がれる思い。終盤、負傷した夫が、帰還して妻のマレーナの消息を尋ねても、嘲られ打ちひしがれる姿に、必死で「奥さんの愛した人はあなただけです」と伝える少年には、本当にマレーナの幸せを心から願う純情が感じ取れます。
最後にマレーナが買い物に行くシーン、あれほどの事(リンチ)がありながら、勇気を持って市場におもむき、女達も温かく声をかけ、何も語りはしないけれど、許し合うお互いの気持ちが伝わり、感慨深い映画です。

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