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2011年3月31日 (木)

存命中の人物を過度に顕彰してはいけない理由

   「棺を蓋いて事定まる」(蓋棺事定)とは好く言ったものである。人間は死んで棺桶に入れられて蓋をしたあとで、はじめてその人の生前にしたことの真の価値がわかるということであろう。だが今の世の中、何事にもスピードアップの時代らしく、活躍中の人物がメディアで賞賛されることが多い。とくに性急な性分の日本人は海外で有名になれば国内の評価は絶大に上がる。古くは、野口英世、湯川秀樹、黒澤明、王貞治。近年では小沢征爾、坂本龍一、宮崎駿、イチロー、村上春樹、渡辺謙など。このほか安藤忠雄、蜷川幸雄、吉永小百合なども業績を超える過分な評価をえる人と感ずる。かつて田中角栄は平民宰相として国民に絶大な人気があった。それにあやかって自分の子供に同名をつけた両親が「ロッキード事件以来、学校などで友だちからいじめられるのがいわいそう」と改名を申し立てた話がのこる。京都大学の矢野暢は吉野作造賞を受賞した研究者だったが、セクハラ事件で非業の死を遂げた。タイガー・ウッズなどもアメリカ国内で絶大な声望をえたが、ある不品行で失墜してしまった。小室哲哉、槇原敬之、酒井法子などにも蹉跌があった。もちろん責めているのではない。むしろ人間であれば人生いろいろな事があるのは当然であると想定すべきだ。「棺を蓋いて事定まる」とは賢者の言葉である。存命の人物に過度な評価を与えることはよくない。

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