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2011年2月17日 (木)

新語の危険性

    毎年多くの新語が生み出される。その中で流行語となるのは便利で使いやすいから、あるいは一言で多くの複雑な問題を含んでいるためである。「ガラパゴス化」という新語は、まさにその典型例であろう。いまインターネットで検索すると多くの文章事例が見つかるだろう。ガラパゴスとは南アメリカ、エクアドルの西方約1000kmの太平洋上にある島である。島名の語尾に「-化」(形や性質がかわること)をつけてどのような意味をもたせているのか。定義はあいまいであるが、ガラパゴスが特異な生物相で知られることから、転じて、携帯電話やコンピューターが日本独自で進化したものの海外市場で振るわないことを揶揄して使われることが多い。経済やビジネスの世界で使われるので、日本製品を海外により多く売る、ということが前提となっている。ところが流行語となると、ビジネスだけでなく諸分野でも「ガラパゴス化」は使われだす。たとえば教育でいえば、「日本の大学はガラパゴス化でいいのか」というように。これなどは論者はハーバード大学への日本人学生が世界に比べて少ないことをあげて、日本の教育のあり方を指摘しようとするものである。そうすると、逆になぜ「ガラパゴス化ではいけないのか」という声もでてくる。またガラパゴスという現実に住民の暮らしている土地に対して否定的な意味で使うことの是非も生じてくる。またシャープは情報端末に商品名として使用する。他国の地名を勝手に商品名に使う日本人の厚かましさ。そもそも「ガラパゴス化」などを使用する人たちは限られている。主婦や学生、隠居老人には不用の言葉である。ビジネスマン、大学研究者たち、言葉の使用は思想と直結する。新語には多くの危険性を孕んでいる。新語を使うことで人の気をひくのは結構だが、そのために本質的な議論が見逃されて、海外に誤解をうむことのないように注意したほうがよいだろう。

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コメント

なるほど。
Linux使いの教科書的なオライリー本は表紙が動物絵柄を採用してます。

ガラパゴスの動物進化を技術文化で捉えるのは自然な意識の流れだと思ってました。が、地名を先様に無断で使用する禁があるかもしれない。その警告は、確かにありです。

やはりケペル先生は冷静で透徹なさってます。

何年かのち、そういう意見が出るかもと思いました。

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