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2011年2月 4日 (金)

有為転変は世の常

   東京大学の図書館学者Nはいわゆる公共図書館が「中小レポート」を基本とする活動、貸出至上主義を批判する論者として知られる。新著で、他国の状況と比べ、貸し出しを最優先にする必然性は無いとしている。限られた図書費予算の中で学術書の購入の予算を増やせば、利用者に人気のあるポピュラー本が減り、自然と貸し出しは落ちる。もちろん中小の真面目な本だしている学術出版社の願いでもある。痛し痒しの問題だが、Nは短期的にみれば貸し出しは落ちるが、他のサービスの拡充に廻せばどうか、という複本購入にも批判的であるらしい。Nと仮名にする理由は未読なためだが、Nのこれまでの論文は読んでいるのでだいたい主旨はわかる。Nの新刊に図書館検定などがあるが、この類の本は売れるだろうが、国立の最高機関である教授がこのような本で稼ぐより、もっと図書館の未来に対して建設的な構想を考えるべきだと思う。Nには基本的な任務がわかっていない。1970年代の時点では多くの図書館はいわゆる日図協の選定した堅い本しか買っていなかった。学術書、教養書中心だった。1970年代半ばからリクエスト購入が軌道にのり、ポピュラー本が購入の中心的位置をしめるに至った。貸し出しも右肩上がりで、市民にも図書館活動が喜ばれたことは、行政への評価にもつながり、新館建設へと繋ぐことができた。1980年代、90年代までは飛躍への道のりだったと思う。Nは1960年代、1970年代の停滞の時代を実感していないのだと思う。これまでやってきたことを後の時代になって学者から否定されるのは多くの古い図書館員はおそらく好まないだろう。しかし好むと好まざるにかかわらず、時代は転変し、新しい人が新説を掲げて前時代を批判することは容易いことである。Nのような学者から教わった生徒がこれからの図書館を担うと思うと日本の図書館に未来はないと感じる。

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